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  1. 愛媛県議会 2023-02-03
    令和 5年農林水産委員会( 2月 3日)


    取得元: 愛媛県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-05
    令和 5年農林水産委員会( 2月 3日) 農林水産委員会会議録   〇開催年月日  令和5年2月3日(金) 〇開会時刻   午前  9時57分 〇閉会時刻   午前  11時28分 〇場所     農林水産委員会室 〇審査・調査事項等  〇 家畜防疫体制について 〇出席委員[7人]  委員長     松下  行吉  副委員長    菅   森実  委員      戒能 潤之介  委員      梶谷  大治  委員      西岡   新  委員      福羅  浩一  委員      毛利  修三
    〇欠席委員[0人] 〇その他の出席者[0人] 〇出席理事者[19人]  農林水産部長      末永  洋一  農政企画局長      阿部  恭司  農業振興局長      小川  英伸  農業振興局技術監    越智  龍太  森林局長        須藤  達也  水産局長        久保田 英和  農政課長        渡部  訓士  営業本部マネージャー  松岡  真仁  農地・担い手対策室長  相原  嘉俊  農業経済課長      大野  隆史  ブランド戦略課長    増本  勝巳  農地整備課長      笠見  隆俊  農産園芸課長      真木  健司  畜産課長        青野  逸志  林業政策課長      薬師寺 雅明  森林整備課長      岡   久夫  漁政課長        大野  道善  水産課長        若下  藤雄  漁港課長        高石  盛大               午前9時57分 開会 ○(松下行吉委員長) ただいまから、農林水産委員会を開会いたします。  本日、久保営業統括部長経済企業委員会に出席しておりますことをお知らせいたします。  これより議事に入ります。  本日の会議録署名者毛利修三委員梶谷大治委員を指名いたします。  本日の議題は、家畜防疫体制についてであります。  議題について、理事者の説明を求めます。着座で結構でございます。 ○(畜産課長) それでは、お手元の資料に基づきまして、本県における家畜防疫体制について御説明いたします。  資料2ページを御覧ください。  これから5つの項目に沿って御説明いたします。  資料3ページを御覧ください。  家畜における伝染性の疾病のうち、その病性の強さや伝染力、予防・治療法の有無を勘案し、感染が急速かつ広範囲に広がることにより国内の畜産業に大きな影響を及ぼす7つの疾病が特定家畜伝染病として定められています。これらの伝染病が発生した場合には、蔓延を防止することが極めて重要となりますので、殺処分等の強力な防疫上の措置を講ずることになります。  このうち、特に現在本県において発生のリスクが高い、高病原性鳥インフルエンザ、豚熱について説明いたします。  資料4ページを御覧ください。  まず、高病原性鳥インフルエンザですが、これは鳥類が急性的に死亡する伝染病です。家畜伝染病予防法では、鶏やアヒルなどの7種類の家禽が指定され、発生時には飼養家禽全てが殺処分対象となります。  資料5ページを御覧ください。  平成15年に国内では79年ぶりとなる発生があって以降、断続的に発生がありますが、近年の発生傾向としては、ここ3年は毎年発生しているほか、令和2年度シーズンには約987万羽が殺処分対象となったことや、50万羽を超える大規模農場での複数発生、比較的狭い地域での連続発生も見られるなど、過去に例のない発生となりました。  また、本県でも発生があった令和3年度シーズンでは、約189万羽が殺処分対象となり、令和2年度シーズンに比べると、その発生規模は5分の1程度に抑えられたものの、ほぼ同時期に異なる亜型、H5N1、H5N8のウイルスの国内侵入や北日本におけるウイルス感染の長期化、これは5月中旬まで続きました。これまでにない発生の特徴が見られました。  資料6ページを御覧ください。  今年度の発生状況です。現在、全国的に猛威を振るっており、過去最速となる昨年10月28日に北海道と岡山県で同時発生して以降、2月2日正午時点で25道県72事例に拡大し、1,200万羽以上の鶏が殺処分されています。なお、本日、さらに茨城県の111万羽飼養の採卵養鶏農家で疑い事例が発生し、10時頃に確定するという連絡が農林水産省からありました。  このように、かつて経験したことのない被害の様相を呈している状況です。これまでに発生したことのない県においても発生し、本県での発生リスクも極めて高く、最大限の警戒感を持って対応しているところです。  資料7ページを御覧ください。  本病の感染原因は、参考1の図に示しておりますように、4つのルートにより海外から渡り鳥が国内にウイルスを持ち込み、ため池等で渡り鳥と接触した野鳥に感染、また、感染した野鳥のふん等に接触した野鳥にも感染が広がります。さらに、感染した野鳥のふんが付着した車両や人、ネズミなどの小型野生動物により養鶏場に持ち込まれることで感染すると考えられております。  渡り鳥の営巣地がシベリア地域周辺にあり、寒い時期はその地で越冬できず、ヨーロッパや北米、韓国、日本など、南の越冬地に移動します。世界各国に散らばった渡り鳥は、冬が終わるとまた営巣地に戻ってきます。営巣地で様々な渡り鳥が接触してウイルスに感染し、翌シーズンの秋から冬にかけて再び越冬地へ移動する際に感染が広がっております。  資料8ページを御覧ください。  国の疫学調査チームの報告では、発生農場の近くにはため池等の水域が多く、渡り鳥が農場やその近隣までウイルスを運ぶことが可能な状況であり、ウイルスが付着したネズミ等の小型野生動物も家禽舎の隙間から侵入した可能性が考えられています。また、発生農場と疫学的に関連がある農場では、人や車両等を介してウイルス感染を起こした可能性や、野鳥での感染が長期化することにより農場周囲の環境でウイルス量が高まり、感染する機会が増えたことも一因と考えられています。  これらのことから、飼養衛生管理基準の遵守により、家禽舎へのウイルス侵入防止対策を徹底することが重要となります。  資料9ページを御覧ください。  次に豚熱ですが、豚熱ウイルスの感染により、豚とイノシシが急性的に死亡する感染力の強い伝染病で、発生時には、鳥インフルエンザと同じく飼養豚全てが殺処分対象となります。  資料10ページを御覧ください。  この豚熱につきましては、平成4年以降26年間発生がなく、国内にはウイルスは存在しない状態が続いておりましたが、平成30年9月に岐阜県で発生し、その後、感染が広がっています。具体的な感染経路は不明ですが、海外から本病ウイルスに汚染された肉製品等が不法に持ち込まれ、この食べ残しを野生イノシシが食べることにより感染し、養豚場にウイルスが持ち込まれたと考えております。  図に示しますように、発生当初は岐阜県のみで続発でしたが、約5か月後には愛知県に広がり、さらに北は山形県、南は沖縄県にも感染が拡大し、これまでに18都県で85事例が発生し、約35万4,000頭もの豚が殺処分されております。  資料11ページを御覧ください。  家畜伝染病については、発生予防対策と発生した場合の蔓延防止対策が必要になりますが、それらの対策については、家畜伝染病予防法に基づいて実施しています。家畜伝染病予防法では、国、都道府県、家畜の所有者の役割を定めており、発生予防対策として国は、国内外に伝染病の侵入を防止するため、国の機関である動物検疫所で、空港や港などで輸出入に関する水際措置を徹底しています。  都道府県につきましては、家畜の所有者から病気の早期発見・通報に基づき、疾病発生の原因究明と衛生対策を行うとともに、家畜の所有者に対する飼養衛生管理基準の指導、防疫対応に必要な人や資材の準備により特定家畜伝染病の発生時に備えることとしています。家畜の所有者に対しては、農場で遵守すべき衛生管理に関する基準、これを飼養衛生管理基準といいますが、これについて定め、遵守徹底を図ることとしています。  また、蔓延防止対策として、都道府県は、発生時には蔓延を防止するための殺処分や移動制限等防疫措置を行い、国は、家畜の所有者に手当金などの交付や防疫措置に係る経費を負担することとされています。  資料12ページを御覧ください。  次に、同法に定められている家畜所有者が遵守すべき飼養衛生管理基準について御説明いたします。  この基準は、まずは家畜の所有者自らが家畜伝染病の発生を予防することが重要であることから、その責務として、予防対策のために遵守すべき衛生管理に関する基準を定めたものです。この基準では、畜種ごとに遵守すべき項目数が定められ、各項目を、取組の目的ごとにⅠからⅣに体系化しています。  Ⅰでは、家畜の所有者の責務や飼養衛生管理マニュアルの作成などの本基準を現場で徹底するための取組を規定しており、ⅡからⅣでは、消毒の励行や野生動物侵入防止対策など、農場にウイルスを侵入させないために取り組むべき具体的な基準について示されています。  資料13ページを御覧ください。  次に、国内の家畜防疫体制について説明いたします。  国内の家畜防疫に関する方針は国が定め、県は、家畜防疫の第一線の機関として家畜保健衛生所を設置し、国の方針に沿って防疫対策を実施しています。また、自衛防疫団体も組織されており、本県では、公益社団法人愛媛県畜産協会が予防接種などの生産者の自主的な取組を推進しております。  資料14ページを御覧ください。  家畜保健衛生所は、家畜保健衛生所法に基づき都道府県の機関として設置が義務づけられており、家畜伝染病発生時に中心となって防疫対応を実施する組織であるとともに、地域における家畜衛生の向上や家畜伝染病の予防、蔓延防止に関する事務、家畜疾病の診断や飼養衛生管理の指導を行っています。  本県の家畜保健衛生所は、3つの本所、2つの支所の体制となっており、さらに、高度かつ専門的な検査診断を担う機関として家畜病性鑑定所を設置しています。なお、南予家畜保健衛生所宇和島支所は、令和7年から西予市に統合する予定となっております。  資料15ページを御覧ください。  家畜保健衛生所では、日常的な農家への巡回に加え、定期的に飼養衛生管理基準遵守状況を調査することにより、重点ポイントの枠内に示してある予防対策を指導しております。  また、監視体制としては、24時間体制で畜産農家からの通報を受けて対応できる体制を整えるとともに、高病原性鳥インフルエンザにつきましては、定期的なモニタリング検査の実施や、本県独自の取組として養鶏農家から死亡鶏の報告を定期的に受け、養鶏農家衛生管理状況を把握しております。また、自然保護課が実施している死亡野鳥の検査につきましては、家畜保健衛生所での簡易検査家畜病性鑑定所での遺伝子検査により早期診断を行っております。  豚熱に関しましては、抗体検査によりワクチン接種等の免疫が付与されているかどうか確認するとともに、野生イノシシ遺伝子検査も実施するなど、県内侵入への監視体制を整備しております。  資料16ページをお願いします。  ここで、今シーズンの本県における高病原性鳥インフルエンザ発生予防対策について御説明いたします。  発生シーズン前の10月から、家禽飼養農場では飼養衛生管理基準の重点項目について自己点検を行い、毎月、家畜保健衛生所に報告することとしています。また、この時期に家畜保健衛生所が全ての家禽農場に立入検査を行い、飼養衛生管理基準遵守状況について点検を実施し、不遵守項目については改善指導を行っております。  今回、本県では、国内での初発生を受け、直ちに生産者に対して野鳥等の侵入防止対策や消毒の徹底などを指示するとともに、家畜伝染病予防法に基づく消毒命令と消石灰の配付による緊急消毒を行いました。また、国内での発生状況を踏まえ、消毒命令期間を二度延長し緊急消毒を追加実施するなど、予防措置を徹底しております。  資料17ページを御覧ください。  豚熱についても、国内初発生以降、本県では、養豚場への立入検査を重ねながら、野生動物侵入防止や消毒励行など衛生管理基準の遵守をはじめ、異常豚の早期発見・早期通報等の徹底を指導しているほか、関係機関と連携した早期封じ込めのための体制強化など、高いレベルでの警戒体制を維持しています。  また、昨年7月、豚熱に感染した野生イノシシが兵庫県淡路島で確認されたのを受け、本県を含む四国4県がワクチン接種推奨地域に指定されたため、10月から豚熱ワクチン接種を開始しています。初回一斉接種では、ワクチン接種対象外の一部の豚を除き、県内全ての飼養豚14万1,129頭を接種しました。現在は、新たに生まれてくる子豚や繁殖豚を対象に、家畜防疫員知事認定獣医師ワクチン接種を行い、感染防止対策を行っております。  資料18ページを御覧ください。  本県では、特定家畜伝染病が発生した段階で愛媛県家畜伝染病防疫対策本部設置要綱に基づき、直ちに県対策本部並びに現地対策本部を設置し、全庁体制で防疫対応を行うこととしています。  県対策本部の組織図を示しておりますが、対策本部は知事を本部長、副知事を副本部長として関係部局の長で構成し、対策本部で定めた方針の下、機動的な防疫対策が実施できるよう、農林水産部を中心とした統括指揮部と本部長の指示により対策本部の事務を支援する対策支援部を設置しています。  対策本部では、関係部局の一致協力の下、防疫方針の策定、国・関係県・現地対策本部等との連絡調整、現地防疫活動への指示、人員や資材等の支援、マスコミ対応防疫活動に係る予算措置などを行っております。  資料19ページを御覧ください。  現地対策本部の組織図を示していますが、対策本部は、地方局長を現地本部長、支局長及び農林水産振興部長を現地副本部長、その下の現地本部員により組織し、現地における防疫活動を実施しています。現地対策本部では、県対策本部が企画立案した防疫方針に基づき、防疫対策を迅速・的確に実施するため、業務の役割ごとに総務班、防疫対策班、焼埋却班、移動規制班及び健康対策班を置き、さらに班の作業内容に応じてグループや係を設置しています。  資料20ページを御覧ください。  万が一の発生時には、迅速に人員と資材を配置して初動の防疫対応を行うことが重要となります。このため、人員については、毎年緊急連絡簿や動員名簿を作成して動員体制を整えるとともに、資材については、初期の防疫活動に必要な資機材を中予家畜保健衛生所に備蓄しています。写真は、9月補正予算で措置したコンテナ3基を中予家畜保健衛生所に整備したもので、コンテナ内に初期防疫活動に必要な2万羽分の防疫資機材を現地の防疫拠点となる集合施設、現場指揮所消毒ポイントごとにパッケージ化して備蓄しています。  また、一般社団法人愛媛建設業協会をはじめ、連携して防疫活動を行うよう、民間団体についてはあらかじめ支援協定を締結しており、日頃より情報の共有も図っております。  資料21ページを御覧ください。  さらに、発生時に的確な作業が実施できるよう、昭和48年度から毎年防疫演習を実施しており、県対策本部及び現地対策本部の機能強化を図るほか、防疫作業に従事する県職員や関係団体職員自衛隊等にも参加してもらい、必要な作業内容を確認するとともに、実際の作業を行う訓練も実施しております。なお、今年度は県並びに各地方局で、昨年度の防疫対応の結果を踏まえ、改善した対処方法や手順の周知と、各地域の大規模養鶏場で発生した場合に想定される活動初期の対応についてのシミュレーションを行うなど、早期収束を図るための防疫体制の強化に努めました。  資料22ページを御覧ください。  ここからは、具体的に家畜伝染病が発生した際の防疫措置の流れについて御説明いたします。  まず、高病原性鳥インフルエンザの基本的な流れを説明いたします。家畜の所有者から死亡羽数の増加など異常家禽の届出を受けた家畜保健衛生所は、直ちに発生農場に出向き、緊急立入検査を行います。死亡した家禽などの簡易検査を行い、陽性となった家禽から採取した検査材料を家畜病性鑑定所遺伝子検査を実施いたします。簡易検査で陽性となった時点で本病が強く疑われるため、全庁体制での準備作業など初動防疫活動を開始します。  県の家畜病性鑑定所において行われる遺伝子検査結果が陽性となり、国の家禽疾病小委員会で疑似患畜と判定され次第、防疫措置を開始し、発生農場で飼養されている全ての家禽の殺処分や焼埋却、消毒等を行い、早期のウイルス封じ込めを行います。  一方、発生農場周辺では、ウイルスの散逸防止のため、速やかに発生農場を中心とした半径3km以内の区域を家禽等の移動を禁止する移動制限区域、半径3kmから10km以内を家禽等の搬出を禁止する搬出制限区域に設定し、それぞれに消毒ポイントを設置し、畜産関係車両の消毒を行います。さらに、ウイルス感染が周囲に拡大していないか確認するため、陽性決定後24時間以内に3km以内の移動制限区域内にある農場について抗体検査ウイルス分離検査を行います。これを発生状況確認検査といいます。  その後、発生農場防疫措置、これは殺処分や焼埋却なんですが、これの完了後の10日目に移動制限区域内の農場について再度確認検査を行い、これを清浄性確認検査といいます。ウイルスの広がりがないことを確認できれば、3kmから10kmの搬出制限区域が解除され、防疫措置完了後の21日目には3kmの移動制限区域も解除され、全ての防疫に係る対応が終了いたします。  資料23ページを御覧ください。
     次に、豚熱の防疫措置の流れを説明いたします。  高病原性鳥インフルエンザと大きく異なる点は、豚熱は全ての養豚場でワクチン接種を実施しているため、制限区域が設定されないことです。また、防疫措置の終了までの期間が鳥インフルエンザは最短で21日ですが、豚熱は28日と1週間長くなっております。  資料24ページを御覧ください。  続いて、発生農場や周辺での具体的な防疫作業について説明いたします。  発生農場での防疫作業は、大きく分けると消毒、殺処分、焼埋却の3つに分けられます。まず、消毒作業については、農場の出入口や農場内外での消毒、農場内道路や敷地全面への消毒用消石灰の散布を行うとともに、殺処分後に畜舎内の全面消毒を行い、発生農場からのウイルスの散逸を防止いたします。  次に殺処分の作業は、高病原性鳥インフルエンザでは、ケージ等から生きた家禽を捕鳥し、ポリバケツに投入後、炭酸ガスを注入して安楽死させます。殺処分された家禽は、ビニール袋に詰めた後、フレコンバッグに投入します。また、卵や飼料、敷料、排せつ物なども汚染された物品として袋詰めを行います。  焼埋却作業は、殺処分後の家禽の死体や汚染物品等の埋却、もしくは焼却を行います。埋却作業については殺処分作業と並行して行うようになりますが、近隣の埋却地に重機を用いて埋却する溝を掘削し、死体等を詰め込んだフレコンバッグを投入した後、埋め戻して覆土します。この埋却場所は3年間の発掘が禁止されます。なお、埋却ができない場合は焼却を行いますが、家禽の死体等を密閉容器に封入し、焼却施設に搬送して処分することになります。  農場外での作業としては、発生に伴い設定した移動制限区域搬出制限区域幹線道路沿い消毒ポイントを設置し、畜産関係車両の消毒を実施し、区域外への感染拡大を防止いたします。  資料25ページを御覧ください。  昨年度に本県で発生した高病原性鳥インフルエンザ防疫対応について説明いたします。  令和3年12月31日、西条市の養鶏場で1例目が発生し、令和4年1月4日に近接する2つの農場で2例目、3例目が発生したほか、3例目と管理者が同一であった今治市の1農場も防疫措置の対象となり、約36万羽を殺処分するという大規模な発生となりました。  県では、直ちに防疫対策本部を立ち上げ、殺処分や消毒ポイントにおける畜産関係車両の消毒を実施するなど、全庁体制で封じ込めに取り組み、1月18日、全ての農場での防疫措置を完了し、2月9日に移動制限を解除すると同時に防疫対策本部を解散しています。この間の防疫従事者は、県職員をはじめ、2例目、3例目と発生規模が拡大したことから自衛隊に災害派遣を要請したほか、市職員や中国四国農政局JAグループなど、多くの職員を動員し、延べ1万2,382名に上りました。  資料26ページを御覧ください。  昨年度、本県が経験した防疫措置を検証した上で、防疫対策マニュアル等の1つ目に、発生現場を統括する指揮機能の強化として、農場の近接地に設置する仮設テントに農場内の総合的な現場対応を総括する現場指揮所を設置するとともに責任者を配置し、2つ目に、防疫従事者の受入れや資材の管理等の拠点となる集合施設の指揮機能を強化するため、専任の責任者を配置、3つ目に、県対策本部発生規模に応じた最大限の県動員者の確保や現地対策本部の動員窓口の集約化などによる動員手順の円滑化、4つ目に、防疫資機材県内最大飼養羽数、これは26万羽ですが、この2日間の防疫対応が可能な備蓄資材に拡充するとともに、資料20ページでも御説明いたしましたが、防疫初期活動に必ず必要となる2万羽分の防疫資材をコンテナ内にパッケージ化して保管することで、誰もが機械的に搬出を可能としたこと、また、防疫拠点資材管理者を選任することにより、迅速な資材補給体制を整備しました。  5つ目に、農場内で殺処分や消毒等を実施する防疫作業時間を8時間から6時間にして、休憩時間や引継ぎ時間をしっかり取ること、また、夜間作業でも明るい中で作業できるよう、投光器やリーダーの声が作業者全員に伝達できるよう拡声器等の通信機器を備蓄いたしました。  6番目に、民間防疫従事者を確保するため、今年度、愛媛綜合警備保障株式会社消毒ポイントでの車両消毒に係る協定を締結したほか、家畜伝染病発生時の支援協定以外にも物資供給手段を拡充するため、県の災害時応援協定締結団体、これはローソンやファミリーマート、コメリ災害対策センターなどですが、これに対しても鳥インフルエンザ発生時に支援を要請できるよう民間団体支援体制を強化しております。  これらの具体的内容については、今年度10月に県防疫対策マニュアルなどを改正いたしました。  資料27ページを御覧ください。  発生時には確実に実行できるよう、資料21ページでも御説明いたしましたが、今年度は県、市町、関係団体自衛隊等を参集した防疫演習を県並びに地方局単位で実施するとともに、演習後は、各地方局で実務担当者が各自の役割分担を再確認するための研修や実働訓練に努めています。  また、今年度新たに関係団体、市町等で構成する連絡会議を設置し、埋却地の地形や規模、搬入路の状況等を詳細に把握した上で、焼埋却処分に必要な農場情報を共有するとともに、掘削や運搬に必要な重機等の確保と運用体制の再確認を行っています。  資料28ページを御覧ください。  現在、家畜伝染病侵入リスクが過去にないほど高まっています。このため、今回新たに養鶏場に隣接したため池堤体での消毒作業野生イノシシ豚熱経口ワクチンの散布を行い、農場へのウイルス侵入防止対策を強化することとしております。また、家畜病性鑑定所野生イノシシ専用高度遺伝子機器を整備し、野生イノシシ検査体制の強化を図ることとしております。  生産者においては、予防対策の強化や飼養衛生管理基準の徹底が求められており、日々様々な対策に経営努力の中で懸命に取り組んでおります。  県におきましても、家畜伝染病予防対策や発生時の蔓延防止対策に努めているところです。今後も引き続き、畜産農家が安心して経営に取り組み、安全・安心な食品の供給が図られるようさらなる防疫体制の強化に取り組んでまいりますので、委員の皆様方におかれましても、引き続き御指導、御協力をよろしくお願いいたします。  以上で説明を終わります。 ○(松下行吉委員長) ありがとうございました。  以上で、理事者の説明が終わりました。画面同期を解除します。中央に「発表者が会議を終了しました」の表示が出ますので、その下のオーケーを押してください。これで同期は解除されました。  それでは、委員の皆さん、議題に関する質疑はありませんか。 ○(西岡新委員) 昨年の鳥インフルエンザの発生のときには、1万2,000人を超える防疫作業人員が従事したということで、県職員の方々もかなり人海戦術で投入されて大変だったとお聞きしておるんですけれども、20ページの初動防疫体制の構築では、この動員名簿をあらかじめ作っておくということですが、どういった人数の規模で、その内訳はどのようなものであるかを教えていただけますか。 ○(畜産課長) 動員につきましては、発生規模によって殺処分など、発生農場に入って作業する人数がどの程度必要か異なります。この名簿に記載された人が全て動員されるわけではなくて、例えば10人が各動員名簿に記載されていたら10人全員出すわけではありません。今回は各課で5名必要といった場合は最初のほうから5名に順番に連絡を取って、病気や出張などで不在の場合には、次の人に連絡する体制にしておりますので、名簿としては、県内最大飼養規模の農場で鳥インフルエンザが発生した際最初の3日間の防疫対応に必要な人数を想定して名簿を作成してもらっています。当然その名簿どおりにはいかないとは思いますが、そういう準備をするということで、各地方局や県庁などに動員名簿の作成に御協力をいただいております。 ○(西岡新委員) 名簿に記載されている人数はどれぐらいになっていますか。 ○(畜産課長) すみません、名簿の人数全部は集計していないので、何名というのは今言えないんですけれども、各組織で3分の1の人数を最初に名簿に登録するようにお願いしております。 ○(松下行吉委員長) 西岡委員、よろしいですか。 ○(西岡新委員) はい。 ○(松下行吉委員長) それでは、ほかに議題に関する質疑はありませんか。 ○(戒能潤之介委員) 豚熱についてお伺いします。中四国の養豚業では愛媛県がナンバー1ということで力を入れていると思うんですけれども、説明いただきました17ページを見ていると、初回のワクチン接種は、肥育豚は一、二か月の間で打ちましょうということですが、ワクチンを接種する獣医師は問題なく確保できているということでいいんでしょうか。 ○(畜産課長) 今、知事認定獣医師制度を設けていまして、すみません、すぐ数字は出てこないんですけれども、民間獣医師が接種を行っているところが半分近くあったと思います。それ以外の民間獣医師にお願いできないところは家畜保健衛生所が全て打つということで、人員的には何とか確保できている体制です。 ○(戒能潤之介委員) 何とか確保できているということですが、肥育豚は6か月での出荷ということで、ワクチン接種が遅れてしまって滞りがあると具合悪いと思うので、獣医師の確保等大変だろうとは思うんですけれども、よろしくお願いしたいと思います。  それと、豚熱が発生した場合の埋却、殺処分について、既に市町やいろんな関係団体支援体制の話ができていると思うんですけれども、特に養豚は一頭一頭が重たいということもありますし、迅速に殺処分して、穴を掘って、袋詰めして埋却するということで、大変な作業になると思いますが、遠いところへ相当な数の重たいものを運んでいくことは効率が悪いと思いますので、そういった埋却場所の確保や建設業協会など誰がどういう体制に入るといったことは既にマニュアル化されているという理解でいいでしょうか。 ○(畜産課長) 養豚の場合は、焼却がなかなかできないものですから、埋却地の確保は非常に重要となっております。養豚農家の申告で、現在埋却地を確保しているところが県内の90%、そのうちの大規模養豚場につきましては93%が確保しております。ただ場所によっては埋却できない場所も当然あります。養鶏農家については今年度、建設業協会の協力を得て埋却地の確認を行っているところですが、引き続き、養豚農家についても埋却地がきちんと使えるかどうか確認したいと思っております。  また、豚と鶏で、やはり埋却が第一選択肢となり、埋却するための工程は鶏も豚も変わりません。そのため、殺処分して、その殺処分した豚を埋却地まで運んで、埋却地で掘削して埋める作業は、鳥インフルエンザで体制ができていますので、豚熱でも同じように使えると思います。  あと一つ、どうしても埋却地がなかったら焼却という選択肢もありますが、豚の場合はサイズが大きく、焼却炉の投入口にそのまま投入することができません。こういった場合は、国が移動式のレンダリング装置を用意しています。それを借りて、現地で豚を粉々にして、殺菌して、粉々にしたものを密閉容器に入れて焼却することとしておりますので、もし埋却地がないようなところで発生した場合には直ちに借りるようなシミュレーション等は行っているところです。 ○(戒能潤之介委員) あと、豚を出荷して、屠殺場で処理をされていく過程の中で、当然だと思いますが、豚熱にかかっているかどうかのチェックをすると思うんですけれども、何回ぐらいチェックをするのか。  狂牛病では、以前屠殺場を視察したときに、何重にもフィルターをかけてチェックし、狂牛病に感染した牛肉が市場に出ることは100%ありませんということを、現場を見させていただきながら確認させてもらったんですけれども、豚に関しても同じようなプロセスで、豚熱にかかっているかどうか何回もチェックしながら市場に出荷する体制ができているということでいいんでしょうか。 ○(畜産課長) 豚熱にかかっているかどうかですが、まず豚熱にかかっている場合はかなり早期から症状が出ますので、農場から出荷する際には必ず健康な豚でなければ出荷しない。そして、屠畜場に着いても、屠畜場に着いたらそのまますぐ屠畜するのではなく、屠畜検査員が1頭1頭臨床症状を確認して、異常がないことを確認した豚を屠畜するようになっています。そのため、屠畜検査員が病気にかかっていないと判断した豚のみが食肉流通していく状況となります。  あと、これは補足ですが、豚熱は人には一切かかりません。 ○(松下行吉委員長) ほかに、議題に関する質疑はありませんか。 ○(福羅浩一委員) 何といっても初動態勢が大切かなというところで、去年も県職員の方々の頑張りを地元で見ていて本当にありがたいと思ったんですけれども、去年のいろんな体制を見返してみて、大変だった部分、あるいは強化しなければいけない部分が洗い出されていると思いますが、県や関係団体だけではできない部分で、民間との協定をいろいろ結ばれているとお見受けしますが、これら支援協定について少し御説明いただいたらと思います。 ○(畜産課長) 支援協定につきましては、例えば建設業協会が一番典型ですけれども、県職員だけではできない専門的な作業はもう専門家にお願いするしかないという考え方で、建設業協会には殺処分家畜の埋却、えひめ産業資源循環協会は、万が一埋却できなかったときには焼却処分をお願いしなければならないので、焼却に関して支援してもらえるようになっています。愛媛県ペストコントロール協会は、消毒の専門会社が集合した協会ですので、消毒ポイントでの消毒をお願いする支援協定を結ばせていただいています。愛媛県バス協会は、昨年度も防疫作業者を県庁や地方局に集めて、そこから集合施設まで運ぶため多くのバスが必要だったんですけれども、これらの差配をお願する協定を結んでおります。  また、鶏の殺処分には必ず炭酸ガスを使って安楽死させるんですけれども、急に大量に集めようとしても難しいので、日本産業・医療ガス協会と協定を結びまして、万が一発生したときは、お願いして集めてもらう体制にしています。  あと、先ほど説明いたしましたが、今年から愛媛綜合警備保障株式会社とも消毒ポイントでの人員を出してもらえるよう協定を結びました。消毒ポイント発生農場防疫措置完了後も長く続きますので、消毒ポイントを任せられる支援協定を結んでいる状況です。 ○(福羅浩一委員) いろんな経験を基に、資機材の備蓄なども含めて、いろんな想定をしながら訓練をされているということですけれども、訓練の状況について、どういった形でやられているのか、こういったところが今後の取組に必要だといったことをお聞かせいただければと思います。 ○(畜産課長) 訓練につきましては、防疫演習を毎年実施しております。実働訓練では、県や市町、建設業協会等の防疫作業経験のない職員を対象に、生きた鶏の捕鳥や防疫服の着脱、埋却作業、動力噴霧器の取扱いや消毒ポイントの運営等の訓練を行っています。消毒ポイントに関係する方が動力噴霧器の使い方が分からないということがあってはいけませんし、車両消毒をする場合も、こういうところを注意して消毒しなければいけないというポイントがありますし、また、鶏を捕まえることが実は物すごく大変なので、どれだけ大変なのかやってもらうことなどを実際にやっています。  また、図上訓練では、県内のどこかの農場で発生した場合を想定し、県対策本部現地対策本部がどのように動いたらいいのかをシミュレーションしながら、指揮命令系統や情報伝達がうまくいくかどうかの確認を行っています。  さらに、実際に発生した場合は、各地方局や県庁のそれぞれの担当課にグループや班の運営を任せることになりますので、毎年、関係各課に発生時の対応の研修会を開催しております。家畜保健衛生所や畜産課の獣医師が直接指揮できれば、そこまでする必要ないと思うんですけれども、いざ発生したときには、獣医師や畜産関係者はどうしても獣医師などでなければできない専門的な業務に集中するため、獣医師がいなくても十分動いていただけるように作業内容の事前研修を重ねている状況です。 ○(松下行吉委員長) ほかに、議題に関する質疑はありませんか。 ○(梶谷大治委員) 2点お聞きしたいと思います。鳥インフルエンザの発生により卵の価格が結構高騰しているという情報が入ってきているんですが、卵の価格は愛媛県内でどういうような影響があるかということを御説明いただければありがたいと思います。 ○(畜産課長) 卵につきましては、実はウクライナ侵攻に伴う飼料価格の高騰が背景にありまして、餌代が高くて経営が苦しいという全国的な流れで飼っている羽数を極力減らしていたところに、今回鳥インフルエンザでどんどん採卵鶏が殺処分されるということで、今までにないような卸値価格になっております。この12月には過去最高の300円がつきました。例年の動きとして1月は一番需要が少なく卵価は物すごく下がってしまうんですけれども、それがあまり下がらずに高卵価で推移しており、先日は12月の300円を超える305円という卵価をつけるなど、ちょっと異常なほどの価格になっております。  これに対する影響ですが、生産者にとっては当然、収入が増えるのでとてもいいことです。消費者にとってはなかなか厳しいものがあるとは思いますが、一番困ることが、卵自体が足りなくなって、欲しくても手に入らないという状況になることであり、影響が大きいとは思うんですけれども、県内大手の卸売業者によると、今のところは、逼迫はしているけれども不足してはいないということを確認しております。 ○(梶谷大治委員) ロシアのウクライナ侵攻の結果、飼料価格が高騰したということであって、決して鳥インフルエンザが価格高騰の影響ではないということでいいんですかね。 ○(畜産課長) すみません、ちょっと説明が悪かったんですけれども、配合飼料価格が高騰しているために飼養羽数が抑えられている。全国に十分量の卵が出回っているのではなくて、ぎりぎりの卵量の需要になるように飼養羽数を減らしていたということがあり、そのぎりぎりのところに鳥インフルエンザの発生により、国内の飼養羽数の6%から7%ぐらいの採卵鶏が殺処分されたことで、流出在庫の量がいきなり物すごく減ったため相場が上がっている状況であり、配合飼料価格の高騰が直接卵価に影響したわけではなくて、そういう背景があって、鳥インフルエンザの影響で卵価が上がったと考えております。 ○(梶谷大治委員) よく分かりました。ありがとうございます。  それでは、もう一点お聞きしたいと思います。豚熱のことについての御説明をいただいたんですが、豚熱の発生によって豚肉価格への影響はございますか。 ○(畜産課長) 一度に大量の殺処分が行われたら、ある程度相場の価格にも影響すると思うんですけれども、豚熱の発生によって豚価が上がったという話は聞いていません。豚の場合はもともと輸入豚肉が結構量がありまして、そのために豚価がなかなか上がらないでいたんですけれども、今回、円安が物すごく進んだこと、コロナの影響で海外での屠畜場が機能不全になったことで、輸入豚肉の価格が高くなったことから、国内在庫が少なくなり、昨年度も非常にいい豚価をつけておりまして、この豚熱の発生が豚価に影響したということは聞いたことはない状況です。 ○(梶谷大治委員) 最近もうとにかく価格が高騰しており、御家庭の奥さん方は、スーパーへ行っても、どこへ行っても、価格上昇に驚いているというような状況があります。そういう中で、国あるいは県に何とかして価格を下げる努力をしてもらいたいという要望が結構、私の耳にも入ってくるんですけれども、今回の例えば卵や豚肉の価格について、家庭の主婦の皆さんが安心して買物ができるように、県としてすべきことをきちんとやっていただく努力をしていただきたいと要望しておきたいと思うんですが、何かあれば。 ○(畜産課長) 今、餌価格だけでなく、資材全体が高騰していまして、食品の値段の上昇は、もう致し方ないというか、どうしようもないような状況だと思います。ただ私たちは当然、消費者のことも考えなくてはいけないんですけれども、生産者のことを第一に考えなくてはいけないと思っていまして、生産者にとって今、餌代や資材代、燃料・燃油代、それが相当高騰して生産費が物すごく上がっています。それに比べて、卸売価格はそんなには上がっていない。これでは再生産ができないのではないかという畜産農家がいまして、そういう声を聞きます。ですから、確かに消費者にとっては大変だと思うんですけれども、生産者が少なくとも再生産できる卸売価格になるように望んでいる状況です。 ○(松下行吉委員長) ほかにございませんか。 ○(戒能潤之介委員) 11ページについてお聞きしたいんですけれども、鳥インフルエンザにしても、豚熱にしても、感染して殺処分せざるを得なくなった場合については総殺処分数などに対しての支援がありますよということは前にお聞きしたんですが、発症を防ぐためのふだんからの防疫措置、消石灰などいろんな資材も必要であるし、何ページかに出ていた柵やネットの設置などいろいろあったと思うんです。そういう対策に対して、国の財政支援や県の補助があるのか、自助努力でやるのか、施設を全部柵で覆うとかネットを設置すると、かなりの費用負担が出てくると思いますが、補助体制はどのような感じになっているのでしょうか。 ○(畜産課長) 豚熱対策での柵の設置などにつきましては、バイオセキュリティ向上対策事業といいまして、早急に設置しなければいけないところに対して国からの補助がありました。現在では、全農家が柵を設置しているということで、その事業は採択しておりません。  また、飼養衛生管理基準をきちんと守ろうとしたら、シャワー室や更衣室などまで新設しなければならない農家も出てくるかと思います。そういった場合には、使える補助事業がありますので、希望があれば紹介したいと思っています。  消毒につきましては、基本的には農家自らがやるべきものということで、ふだんの消毒に対する支援というのはありません。ただ今回のように鳥インフルエンザ発生リスクが高く、知事命令等で全員に消毒しなさいというような場合は、県が消石灰を確保し、無料配布している状況です。 ○(松下行吉委員長) よろしいでしょうか。  ほかに。 ○(西岡新委員) 岡山理科大学の獣医学部が創設されて、まだ獣医師の有資格者は輩出されていませんけれども、今どのような形で連携しているのか、今後の期待することや活用も含めて教えていただければと思います。 ○(畜産課長) 岡山理科大学につきましては、今年度、獣医学部初の入学生は5回生となっていますが、愛媛県は獣医師不足のため、多くの卒業生に愛媛県を受験していただけるよう、公務員獣医師がどういう仕事をしているか紹介を行うなど、機会を捉えて積極的にPR活動を実施しております。  岡山理科大学との連携につきましては、令和元年度に岡山理科大学と家畜保健衛生所、畜産課等のメンバーが集まり連絡会議を設置し、家畜伝染病等に関する情報交換を行っております。  岡山理科大学に一番期待したいことにつきましては、県の試験研究機関は現場に即した課題解決の研究がメインになり、基礎研究がなかなかできなくなることから、基礎研究分野の強化を図るため、岡山理科大学と連携して研究を進めることを模索しているほか、業績発表会や研修会等の講師で岡山理科大学の先生に来ていただいて、最新の情報を共有するなど連携を図っているところでございます。 ○(松下行吉委員長) ほかにありませんか。  それでは、せっかくの機会ですので、所管事項も含めて質問はありませんか。 ○(毛利修三委員) 今季は寒波の到来が何度もありました。この間は久万で人的被害の痛ましい話もありました。昨年来の大雪も含めて農業全体への被害状況をお聞かせ願いたいんですが。 ○(農産園芸課長) 先般1月24日、25日に寒波がございました。強風も伴いまして、新聞報道にもありましたとおり、三瓶町の柑橘ビニールハウスが残念ながら破損するなど、県内で数件の施設被害が発生しております。  あと、柑橘類につきましては、果皮障害などが心配されますが、時間がたたないと分からないところがあり、1週間から2週間程度を要することから、現在経過観察しているところでございます。 ○(毛利修三委員) 施設被害が発生したことは悲しいことだと思います。  もう一つ、柑橘被害については、言われるとおり2週間程度たたないと分からないということですが、昨年末の雪に関しての被害はどうですか。この間の雪はまだ被害の状況はつかめていないということですが、年末の大雪の被害状況はどうですか。 ○(農産園芸課長) 失礼いたしました。昨年末の大雪もございました。同じように施設について、トマトのハウスなどが破損する被害が発生しています。柑橘類につきましては先ほどの寒波のように果皮障害などが心配されたんですけれども、今のところ大きな被害があったとは聞いていないところでございます。 ○(毛利修三委員) 当然被害額のことは考えなければならないと思うんですが、特に被害額がどうこうという被害ではなかったということでしょうか。特に年末の雪では、ポンカンをはじめ晩柑などは取り入れをしていない時期だったもので、結構被害が出ているという話を聞きますけれども、被害額はつかんではいませんか。 ○(農産園芸課長) 年末の大雪までに収穫できていない柑橘は、主にポンカンといった果実になろうかと思います。寒害につきましては、柑橘にもよりますけれども、一般的にはマイナス3度の状態が数時間継続すると影響が出てくると言われております。  そうした中で、ポンカンなどにつきましては、被害額が報告されるほどの被害があったとは聞いてはおりません。若干焼けなどが発生したようですが、それらについては家庭選別の中で対応し、厳選収穫しながら出荷がなされていると聞いております。 ○(毛利修三委員) 先ほども言いましたように、農家によっては、うちは半分やられたという話も聞きますので、そこらにも目を配っていただくというか、アンテナを張っていただきたいと思います。  それから、林業のほうは、久万がああいう大雪だったんですが、被害はありませんでしたか。 ○(森林整備課長) 林業については、年末の大雪で久万高原町では76cmの積雪が記録されまして、山の木を伐採する現場に行けないなどの話を非常に多く聞いております。重たい雪で木が倒れたとか、一部そういう被害等があったものの、被害額として報告されるほどの被害状況は把握しておりません。 ○(松下行吉委員長) ほかに質問はありませんか。 ○(菅森実委員) 御説明いただきました防疫体制の中で、埋却される資材は3年間埋めておく必要があるとのことでしたが、その資材は3年後、どのようになるんでしょうか。例えば、今プラスチックなども、地球に返りますということをうたっているものもありますけれども。 ○(畜産課長) 埋却地を3年間、発掘禁止にするということは家畜伝染病予防法で規定されています。法律ができたときには、殺処分した鶏や家畜は土の中に埋却して3年間置いておけば土に返るという考え方でつくられました。ただ近年では、埋却地から汚水が流れ出したり、有害ガスが吹き出したりということがあったら周りに迷惑をかけますので、現在は防水のビニールシートを敷いた上に死体や鶏ふんなどを埋却して置いておきます。その後どうなるかについては、埋却後掘り起こした事例は聞いたことがなく、例えば上は畑だったら畑として使えますので、申し訳ないですが、把握はしていない状況です。 ○(菅森実委員) 承知しました。  そのビニールシートが3年間、死骸などを入れて置いておいて、そのまま地下に残っている状況なのかどうか、掘り起こしていないから分からないですよね。ぜひ、行く行くは土に返っていくような素材の研究など、議論を進めていただけるとありがたいなと思います。お願いします。 ○(松下行吉委員長) 今後の推移を見るということで。  ほかに質問はありませんか。 ○(西岡新委員) 今年、知事がインドネシアに訪問されていらっしゃいましたけれども、インドネシアは人口が3億人近くいて、イスラム教徒が多い国でもありますが、今後、本県の農林水産品の輸出について、どういった戦略を描いて取り組んでいくのかを教えていただけますでしょうか。 ○(ブランド戦略課長) 私ども柑橘の輸出を中心にやっておりますが、インドネシアは、柑橘類は輸出不可となっておりますので、ターゲットに入っていない状況です。
    ○(林業政策課長) 林産物について御説明いたします。  木材は、アジアでは中国、韓国、台湾、ベトナムに輸出しておりますが、まだインドネシアは実績がございません。情報を収集していく段階でございます。 ○(漁政課長) 水産物については、マレーシア、シンガポール、中国、韓国などへ、オレンジウェーブと連携して輸出促進に取り組んでおりますけれども、インドネシアへの輸出実績はまだございません。ただ中には、国ごとの設定ということでマレーシアのハラール認証を取得している事業者もおりますので、今後、市場の状況などを把握してまいりたいと考えております。 ○(営業本部マネージャー) 営業本部といたしましても、現在、インドネシアに関しましては本格的には取り組んでいませんが、周辺のシンガポール、香港、マレーシアなどとは、現地の提携を結んでおります事業者と連携して輸出拡大を図っているところですので、インドネシアにつきましても今後、現地の方々と意見交換を行いながら、できることを取り組んでいきたいとは考えております。 ○(ブランド戦略課長) すみません、補足です。インドネシアは現在輸出不可という状況ですので、令和元年から、残留農薬検査品目リストに柑橘も加えてもらい輸出できるようにインドネシア政府へ働きかける旨の重要要望を国に対して行っているところでございます。 ○(松下行吉委員長) ほかに質問ございませんか。 ○(梶谷大治委員) せっかくの機会でございますので、魚のことについて質問をさせてもらえたらと思います。八幡浜では、1月5日に初競りがありました。初競りのときには、極めて海が荒くしけていたこともあって、魚が本当に少ないなと驚いたんですけれども、2月1日に十日えびすという式典がございました。そのときには魚が捕れて、にぎやかな魚市になっておりました。  そこでお聞きしたいんですけれども、魚価がどうなっているかを教えていただければありがたいんですが。魚の値段に何か最近変化があったかどうかをお聞きしたい。 ○(漁政課長) 魚の値段でございますけれども、養殖魚につきましては、コロナ禍の外食産業における需要が回復してきたというところもあって、おおむね値段が回復してきています。そして、特にブリは在池尾数がかなり少ないということで、上昇傾向にあります。  あと、天然魚につきましては、八幡浜は特に代表的なタイの価格動向を見ていますと、昨年ぐらいまでは前年比3割から5割下落というようなところがありましたけれども、最近はかなり回復してきて、キロ850円程度にまで戻ってきている印象を持っております。 ○(松下行吉委員長) ほかにございませんか。 ○(毛利修三委員) せっかく梶谷委員が海の話を出していただきましたので、海の恵みという意味では漁船漁業も本来と言えるのではないかと思うんですが、従来は漁船が中心であったわけで。現在、漁船漁業の売上高、生産高はどういう状態になっておりますか。 ○(水産課長) 漁船漁業は、確かにすごく減っており、養殖が盛んになる前は漁船漁業が当然メインでした。たしか昭和59年が漁船漁業のピークの年だったように記憶しております。その頃は量もかなりあって、いわゆる沖合漁業で、大中まきなどがよその地区、もしくは海外で捕った魚も愛媛県の漁業者が愛媛県に水揚げした場合、愛媛県の水揚げとしてカウントされていた時代があり、今より何倍もありました。  令和2年の統計では、漁船漁業の生産量が約8万1,000tで、多分その当時の何分の1かにはなっていると思います。生産額が約170億円で、金額も多分その当時に比べたら何分の1かにはなっていると思います。漁船も漁業者も減っている中で、この最近は、その減り具合が比較的穏やかになっているという印象は持っています。というのが、やはり昔のいいときは、海外などいろんなところで捕ってきた水揚げの割合が非常に高かったんですけれども、今そういう大規模な漁業が非常に少なくなっている関係で減ってはいるんですけれども、減り具合は非常に緩やかになってきたという印象を受けております。  養殖業を含めた愛媛県全体の漁業産出額がおおむね800億円であり、そのうちの約170億円を漁船漁業が占めています。どうしても愛媛県の場合は養殖業が金額的には多くなっておりまして、漁船漁業が少ないというのが実態です。 ○(毛利修三委員) そのとおりというか、梶谷委員が取り上げた八幡浜でも、沖トロの基地として全国的にも有名で、最盛期には二十何統あったが、今は1統だけ。  それで、結局は資源保護の話になろうかと思うんですが、どうなんですか。サワラの話などは聞きますが、資源保護という点で県の取り組んでいることがあったらお聞かせ願いたい。 ○(水産課長) 資源保護はいろんな考え方があろうかと思います。サワラを言われましたので例に取りますと、瀬戸内海の11府県で、小さい魚は捕らないように漁業者の使う網目の制限や、春や秋など休漁期間を設けることを取り組んでやりました。結果的に、サワラは一時すごく減っていたんですけれども、そのときに比べると若干今、増えつつあります。国の解析でも、資源量は高い区分に近いところにまで回復してきていると聞いております。  それ以外の魚も、例えばマダイの小さいのを捕らないようにしましょう、メバルの小さいのを捕らないようにしましょうということは、愛媛県の漁業調整規則の中で定めがあります。漁業者だけではなくて一般の方も含めて、規則の中でそういう資源保護の取組はやっております。  あと、漁業者自らがこの期間は捕らないようにするとか、あるいは、働き方改革という面もあるのかもしれないんですけれども、毎日毎日沖に行くことはやめようとか、2日行ったら1日休もうよということを漁業者自らが決めることで資源保護に取り組んでいるという状況です。 ○(毛利修三委員) 今、いみじくも課長言っていただいた規則ということですが、もう一つ、一番心配しているのはチリメンで、昔は随分、宇和海は盛んであったが、それも今はもうほとんど資源がないと。そのときに聞くことは、これは養殖漁業とも関係するわけですが、網を入れる区域が、今の区域ではもう全く入ってこなくて漁がないんですよ。それでは飯が食えんですということも聞きます。  そうしたら、それぞれの網の種類によって決まっている区域を見直す時期も来ているのではないかと。戦後から見直しはあまりなかった気がするので、どうして宇和海のチリメン漁はこうなったか、小型の底曳きはこうなったか、沖トロがこうなったかという基本的な見直しの下でもう一度やはり、もちろん資源保護やその資源を有効に使うための方法もありますが、あの辺りの場で最初に取り組むべきは、今のままの区域で成り立つかどうかを見直すことも大事じゃないかと思うんです。県の方向、方針としてぜひという思いがあるんですが、何かありますか。 ○(水産課長) 漁業者が今の操業区域の中では生活できないから操業区域を広げてほしいという話が少なからずあります。ただ海は、結局その漁業者のためだけにあるものではなくて、一部の漁業者のために区域を広げると、その広げたところで別の漁業者が操業しており、漁業調整上、非常に問題になる場合もありまして、一部の漁業者の要望だけで簡単に話が進まないというところもあって、全体の漁業調整というものの中で進めなければなりません。  やはり魚が減る中で、何であそこだけ区域を広げるのかという意見もありまして、なかなか一朝一夕に話が進んでいないという現状はあります。チリメンのお話が出ましたが、チリメンの方にとってみれば漁場を広げていただければありがたいんでしょうけれども、その結果、チリメンを捕るのが増えたら、ほかの漁業者が困ってしまうという、非常に難しい話になりますので、ここは慎重に対応しなければいけないと思っております。 ○(毛利修三委員) もうこれも言われる。網の関係の方らがおもしろおかしく言う。おまえらチリメンを小さいときに摘んで、資源がなくなってしまうんじゃと言うのがまき網漁業の方なんですよ。一般的な漁業者の方。そういう面ではよく言われるので、いろいろな考慮の対象になると言っているんです。全体を見て調整することが大事なので、その調整が規則だと思うんです。それで、規則の下にいろいろな漁業が成り立つようになるんじゃないかとやっておると。  言いたいのは、その状況が変わったんだと、その規則を決めた頃とは海の状況が変わったんだと。私は、その大きな原因というか、理由はやはり養殖が盛んで、これはありがたいことですが、湾内にいかだができたら、チリメンに行く船がなくなったということで、それは養殖を盛んにするためには、愛媛の漁業のためには必要なんですが、しかし、一方で問題がある。  そういう海の状況を踏まえて対処するということだと思うんです。課長の言われるのは本当に当然のことで、ただそれではそれぞれの網は成り立たないということなので、こういう話をさせてもらったんです。ぜひ海が変わったと、資源も変わったと、現状を踏まえて新たに本当に愛媛の漁船漁業をどうするかということを、私は聞きたいと思いますので、水産局長、何かありましたら。 ○(水産局長) 委員おっしゃるとおり、漁船漁業につきましては、資源管理が非常に重要な部分もございます。温暖化で水温も上がっているという話もありますし、海流が曲がっていて、本当は愛媛で捕れなくてはならない魚が関東近辺で捕れているなど、いろんな状況があります。ただ今ある資源は大切な資源ですので守ることも大事です。漁業者も皆さんそれぞれ自分だけがもうけるというのがあるかも分かりませんけれども、ただ海はみんなの資源でもありますので、大切な資源を守りながら皆さんで漁業をして、愛媛県の水産業を発展させていただきたいと思っています。委員のおっしゃる話も十分分かりますし、いろんな検討をしながら今後、進めてまいりたいと思います。どうぞよろしくお願いします。 ○(松下行吉委員長) では、ほかに質問ないですか。             〔「なし」と呼ぶ者あり〕 ○(松下行吉委員長) それでは、質問もないようですので、質疑を終了いたします。  以上をもちまして、農林水産委員会を閉会いたします。               午前11時28分 閉会...